日本からセネガルへ引っ越すとき、醤油だの、インスタントラーメンだの、
みんなが想像しうる 「日本のもの」を持ってきた。
その中に、何枚か民謡と演歌のカセットがはいっている。
100円ショップで売られているそれだ。
これは、実は、セネガル人の主人のリクエストだった。
主人は、演歌、それも、最近の傾向であるポップ調のささやくような演歌ではなく、
声を良く伸ばすド演歌、とでも言うか、民謡に近いとでもいうか、あーいう演歌が好きだ。
ヘンなアフリカンだな〜、と思っていた。
でも、ここへ来て理解できた。
朝と夕、コーランがモスクから流れてくる。 ラマダンの季節には、1日に何回も流れる。
そのコーランが、こぶしが利いていて、声をぴ〜んと張って歌う民謡や演歌に似ている。
セネガルの歌でも、今のユースンドゥを中心とする歌ではなく、
伝統的な歌は、こぶしが聞いている。
先日見ていたいたMali
マリの国の歌は、日本語の歌詞をつければ、演歌だ。
アラビア語圏で流れるテレビの音楽番組。
目鼻立ちのはっきり、くっきりした歌手たちが、
また、その顔立ちにふさわしくピカピカ着飾って、迫力ある体で歌う。
その歌が、また、こぶしがクルクルまわって、演歌に似ている。
セネガル人であり、さらに、エジプト生活の長い主人は、
「ふるさと」を、演歌の中に見つけたのだ。
こうして考えると、日本の演歌のルーツをたどっていけば、
文化発祥地、エジプトへとつながるのかもしれない・・・・。